中高一貫教育校の取り組み
(教育愛知 12月号 第52巻 第9号 通巻619号 平成16年12月発行 より)
愛知県立田口高等学校
設楽町立設楽中学校
豊根村立豊根中学校
津具村立津具中学校
1 はじめに
平成16年度より連携型中高一貫教育が田口高等学校、設楽中学校、豊根中学校、津具中学校で始まった。
この4校は愛知県の北東部北設楽郡にあり、周囲を山々に囲まれ自然が豊かな地域に位置している。過疎化、少子高齢化が進み、人口の減少傾向が続いているが、人々の学校教育への期待は大きく、地域の教育力も高く協力的であり、本年度から始まった中高一貫教育への期待が大変大きい。
2 平成15年度の取り組み
平成15年1月に設楽中学校・津具中学校・田口高等学校との連携型中高一貫教育が県教育委員会で承認され、3月には愛知県中高一貫教育研究会議において研究内容と研究組織・研究計画等が示された。それに基づき第一回研究推進委員会が4月に開催され、15年度の研究内容と研究組織(北設楽地区中高一貫教育研究推進全体会議)・研究計画等が以下のように立てられた。
(1)研究内容
・研究推進委員会
研究目標
@ 中高の6年間の継続的な教育活動により、生徒1人1人の個性や確か な学力を伸ばす教育の実現。
A 中高連携による効果的な特別活動や生徒会活動等を進めることにより、社会性豊かな生徒を育成する。
B 地域に密着した教育活動を通し、郷土を愛し、郷土の発展に貢献しよ うとする態度を育成するとともに、生徒の個性を伸長し個を生かす進路指導を実現する。
・教育課程部会
@教育課程編成の研究(手だて)
教員の交流、授業公開、学校施設の開放、情報の共有化。
A総合的な学習の時間の研究
高校の「ふるさと学習」を核とした6年間の学習の積み上げを考える。
B進路指導の研究
「生き方指導」を基盤とした進路指導の充実
・交流部会
異年齢集団による活動を積極的に行い、生徒の社会性や豊かな人間性を一層図っていくために、4校の部活動・生徒会・学校行事等の生徒・教職員の交流について調査研究を行う。
@部活動
A生徒会活動
B英語・数学・漢字検定等
C高校における中学生体験入学・文化祭等の学校行事
・地域連携部会
@PTAの連携活動
A保護者への理解推進
B地域への理解推進
・地域推進協力者会議
研究推進委員会と連携をとりながら、中高一貫教育の理解と推進を図る。研究推進委員会・各部会・中高一貫教育を推進する行事への参加。
(2)各委員会・各部会の取り組み
1年間で研究推進委員会4回、研究推進全体会議3回、地域推進協力者会議2回、各部会・推進校校長会は毎月のように会議が開催された。11月より豊根中学校が連携校に加わりより力強く研究が進められた。
三重・飯南地区学校訪問 |
静岡・川根地区学校訪問 |
一方では中高一貫教育の理解と来年度に向けての取り組みの情報収集として、6月に先進校視察として三重県の飯南地区の飯南高校・飯南中学校・飯高東中学校・飯高西中学校へ各学校から3名の推進委員が参加した。午前は飯南高校で全体説明と高校の取り組みを聞き、午後は3中学校に3グループに分かれ、各中学校の取り組みを聞いた。同じく8月、福井で東海・北陸地区中高一貫教育推進フォーラムが開催された。各学校から代表が参加、先進校の取り組みについてつぶさに聞き、帰ってから克明な報告がされた。11月、第2回先進校視察として静岡県川根地区の川根高校・川根中学校・中川根中学校・本川根中学校へ各学校から第1回と同じ様に3名の推進委員が参加し、午前は川根高校と川根中学校、午後は中川根中学校と本川根中学と二グループに分かれて各学校の取り組みについて聞いた。
同じく11月、群馬県において群馬県中高一貫教育公開研究会が開催された。各校から代表が参加し、群馬県の3地区の取り組みについて報告された。
中高一貫教育の地域への理解と説明として、8月に県教育委員会が「中高一貫教育に関する講演会」を開催した。設楽町特産物振興センターを会場とし、三重県立飯南高等学校長荒井順治先生を講師に迎え行われた。100名以上の参加者があり、中高一貫教育に対する期待の大きさが感じられた。
9月には設楽・津具地区の小学校5・6年、中学校1・2年の保護者に中高一貫教育に関するアンケート(質問1〜5)を実施し、理解と期待の調査を行った。そして、その結果を12月に配布し、2月に各中学校の入学説明会時に保護者に対して、より一層の理解を得るため中高一貫教育の説明会を設け、県教育委員会・高校の代表が出席し説明をした。
2・3月には1年間先進校視察で得た資料や地域推進協力者会議・小中学校保護者の意見等から検討を重ね、平成16年度からの本県初の連携型中高一貫教育が実りあるように、来年度の実践研究計画案を各部会・研究推進委員会で立てた。
平成15年 中高一貫教育に関するアンケート |
質問1
入試は簡便な方法(学力検査はせずに面接を実施し、中高連携教育で取り組んだ学習のまとめや志望理由の提出)で行うことを知っていますか。 |
|
知っている |
知らない |
人数 |
145人 |
25人 |
% |
85.3% |
14.5% |
質問2
あなたは、設楽・津具地区で中高一貫教育が来年度中学1年から導入されることを知っていますか。 |
|
知っている |
知らない |
人数 |
158人 |
12人 |
% |
92.9% |
7.1% |
質問3
田口高校以外の高校へも進学できることを知っていますか。 |
|
知っている |
知らない |
人数 |
151人 |
18人 |
% |
89.3% |
10.7% |
質問4
設楽・津具地区で中高一貫教育は、連携型で行うことを知っていますか。 |
|
知っている |
知らない |
人数 |
138人 |
30人 |
% |
82.1% |
17.9% |
質問5
中高一貫教育に期待していますか。 |
|
期待している |
どちらとも言えない |
期待できない |
人数 |
48人 |
104人 |
3人 |
% |
31.0% |
67.1% |
1.9% |
|
3 平成16年度の取り組み
5月に第1回愛知県中高一貫教育研究会議・第1回愛知県中高一貫教育研究会議専門部会において本年度の推進校における実践計画が審議され、次のように研究推進委員会は計画実施することとした。
(1)実践研究計画
研究推進委員会
6年間のみのりの中で、確かな学力と豊かな人間性をもち、たくましく生き抜く生徒の育成を目指す。
|
@ 中高の6年間の継続的な教育活動により、生徒1人1人の個性や確かな学力を伸ばす教育の実現を目指す。
・ 中高の教員の交流授業(英語・数学等)、授業参観。
・ 少人数指導及びティーム・ティーチング(T・T)等。
・ 総合的な学習の時間の連携の在り方や相互の学習内容及び方法についての研究。
A 中高連携による効果的な特別活動等を進めることにより、社会性豊かな生徒を育成する。
・ 学校行事での交流(ふるさと体験学習)
・ 文化祭等での生徒の作品交流
・ 部活動での交流
B 地域に密着した教育活動を通し、郷土を愛し、郷土の発展に貢献しようとする態度を育成するとともに、生徒の個性を伸長し個を生かす進路指導を実現する。
・ 保護者・地域への情報発信(保護者会・PTA新聞・地域広報誌・ホームページ)
・ 6年間を見通した進路指導(体験入学・高校説明会)
・ 地域の教育力の活用(ボランティア外部講師の導入)
教育課程部会
@教員の交流による連携
・ 3中学校と高等学校の教員が相互に交流授業を行うことを通して、学習内容や生徒の学力をつかみ、6年間を見通した一貫教育の基礎を築く。
A総合的な学習の時間・選択学習について
中学生一日体験入学 |
・ 高校の「ふるさと学習」の充実
・ 各中学校における総合的な学習の計画の見直し。(高校との連携を核として)
B進路指導について
・ 体験入学、高校説明会の実施。
・ 6年間を見通した進路指導(キャリア教育)の実践。
中高の連携による適切で系統的なカリキュラムの立案。体験入学、高校説明会の見直しと林業体験学習等の計画。
交流部会
@学校交流事業
・ふるさと体験学習(サマーセミナー)
設楽、津具、豊根の3中学生(1年生対象)相互や高校生との交流、親睦を図り、これからの学校生活に生かす。
集団行動を通して、自律性・協力性・責任感を養い、社会への適応を図る。
・ふるさと体験学習(林業体験)豊根中学校対象。
豊根中学校生(1・2年生対象)がふるさと豊根の基幹産業である林業について理解を深め、ふるさと豊根を愛する心を養う。
高校生や森林組合員、農林水産事務所指導員から林業の仕事の実際について指導を受け、体験をする。
中高一貫教育のふるさと学習に位置づけ、将来に生きて働く資質を養う。
A部活動交流
・ 一緒に部活動をすることにより、お互いの技量の向上と異年齢間の交流を図る。
高校と3中学校において同じ競技種目の部の交流に関して、顧問会議で期日・会場を調整した上で実施する。
B文化祭交流
・ 生徒の美術等の作品を交換し、展示を通して相互の交流を図る。
文化祭の作品展示場所に「中高一貫教育スペース」を設け、そこに各学校の作品を展示する。
C検定交流
・ 基礎学力の習得に努め、将来に生きて働く資格を習得する。
・ 合同で受検することにより、生徒相互の交流を図る。
漢字検定、数学検定、英語検定等について担当者が連絡を取り、単独・分散・合同等受検方法を検討する。
地域連携部会
中高一貫概要説明会・講演会 |
@保護者への説明会
・中学校保護者への説明会(1学期末・3学期末)
連携中学校単位で実施する。主催は、県教委・町村教委・田口高校・連携中学校。
・小学校保護者会への説明会(2月)
連携中学校単位で実施し、主催は中学校保護者会と同じ。
A広報誌の発行
・発行回数年2回(7月・2月)
・発行部数1100枚
BPTA新聞の交換
・交換時期 7月・10月・12月・3月
・部数 職員数+学級数
Cホームページの開設
地域推進協力者会議
研究推進委員会と連携を取り、年2回程度、会議を開催する。実践研究の内容と計画、実践研究の結果と次年度への内容と計画について検討する。
(2)各部の取り組み
教育課程部会
@交流授業の状況
実践内容
田口高等学校と3中学校の教員が、相互に出向いて授業を行う。高校からは、2人の英語科教員が3つの中学校に出向く。設楽中学校と豊根中学校からは数学科教員各1人が、津具中学校からは英語科教員1人が、高校で授業を行っている。
中学校での授業は、1・3年の英語と1・2年の選択英語(設楽中学校)を週一時間行う。また、高校では、1・2年普通科及び林業科の英語と数学を、週にそれぞれ1時間行う。
どの授業も中学校と高校の教員が2〜3人でのTTで、役割を分担したり一斉学習の中で個別の指導を行ったりする形で取り組んでいる。
中学校での授業の様子
○ 1年生の英語の授業で、be動詞の使い分けのパターンプラクティスを行った。高校の先生の、「be動詞は高校になっても出てくるものだから、中学生のうちに、必ず使い方を習得しておいてほしい。」ということばを聞き、生徒たちは基礎・基本の重要性を意識しながら学習に取り組むことができた。
交流授業の意義の一つに、生徒が高校進学後を意識し、目標をもって授業に取り組めるということがあげられる。高校の先生には、「高校では、生徒たちはどんなことを学んでいるのか」ということを、折にふれ話してもらうようにしている。
また、授業中には、中学生向けに簡単な単語を使ったりスピードを落としたりして話すのではなく、高校の授業に近い英語を話してもらっている。これは、高校では、ある程度の速さの英語を聞き取り、内容が理解できることが必要であるため、中学生のうちからそれを意識させたいという願いからである。
(津具中学校)
○ 3年生になると、村の中学生海外派遣事業でカナダへの研修に出かける。英語科のコミュニケーション活動も、このカナダ研修を意識した場面が多い。コミュニケーション活動を重視している英語科においては、高等学校の先生が授業に参加してくださることにより、普段味わえないコミュニケーション活動が授業の中で実現でき、活気のある学習が展開されている。
TTでの授業風景(中学校) |
最近、1年生の英語で、飛行機内の会話に取り組んだ。フライトアテンダントに飲み物を頼む場面での対話である。教員2人による臨場感のある模範対話を聞いた後、生徒たちは役割分担をし、積極的に対話を始めた。以下は、授業を終えての生徒の感想である。
「実際にやってみたので、きっと次からもできると思う。」
「今日はしっかり英語を聞き取れて、乗務員や乗客になってやってみて、とても楽しかった。」
「田口高校の先生と楽しく対話ができた。」
毎週水曜日の英語は田口高校の先生と一緒に学習するのだという意識が半年を過ぎ、生徒に定着してきている。また、TT形式で授業を行うため、生徒1人1人の話す回数が増え、必要な表現を楽しく覚えることができているようである。
(豊根中学校)
○ 中学生は、高等学校でどんな数学の学習をしているかを知らない。しかし、興味は大変強い。豊根中学校では、
高校教員の個別指導の様子(中学校) |
校内の「中高一貫教育関係掲示板」に高等学校の数学コーナーを設け、高等学校で学習している内容で、中学校の内容の発展的なものや、中学生にも分かりやすいものについて紹介している。学年を問わず、数学に興味のある生徒は、掲示された数学の問題に一生懸命挑戦している。
「高校の数学はすごく難しいと思っていたけど、思ったより簡単だった。」
「高校でも同じような問題をやるんだね。」
といった感想が、中学生から寄せられている。
(豊根中学校)
○ 設楽中学校では、全学年の英語の授業で2人の教員によるTT、あるいは少人数指導を行っている。そして、3年生の英語と1、2年生の選択英語は、週1時間、高校の先生を含めて3人による指導を行っており、よりいっそう個に対応した授業が展開できている。
選択の授業の英語検定試験に向けた学習では、クラスを3つに分けて少人数指導を行っている。1つのグループに1年生では6〜7人、2年生では2〜3人の生徒が、過去の問題を解きながら、マンツーマンに近い状態で指導を受けている。英会話の学習では、「今日は何時に家に帰ってくる?」や「今日は雨が降りそうだから傘を持って行きなさい」など「こんなときどう言うのか」という課題に対して、2人の中学校教員の支援を受けながらペアで英文を考え、自分たちなりの英文ができたら、別室にいる高校の先生のところへ行ってその英語を話し、通じたら返事をもらうなど、楽しみながらコミュニケーション能力を高められるようにTTの方法を工夫している。
(設楽中学校)
○ 3年生(1学級20人の規模)の英語科、教科書本文の学習を次のように行った。
まず、全体で授業の目標を確認し、その後、能力別の3つのコースを提示する。生徒は、授業ごとに、これらのコースから自己選択して学習する。
Aコース: 本文の意味を確認した後で、徹底的に音読練習し、最後に教師が音読の評価をする。
Bコース: 本文の意味を確認した後で、音読練習する。そして、英問を出したり英問に答えたりする活動を行う。
Cコース: 本文の日本語だけを見て教師の英問に答え、最終的には日本語を見て英語で言えるようにする。
(設楽中学校)
高等学校での授業の様子
○ 中学校とは学習内容や進度、授業の進め方も違う。そこで、数学科では、当初はそれぞれの生徒の様子をじっくり観察することから始めた。併せて、指導内容や指導方法の打ち合わせを欠かさず行った。
高等学校の授業は、中学校に比べてペースが速い。そのため、授業進度に合わない場面が出てくる。そうした生徒に個別に指導することが多い。また、個別の疑問をもった生徒に、即座に支援をすることで理解を助けるように努めている。
○ 教員交流により津具中学校の先生による授業が行われたが、中学校の時に、その先生に英語を教わった生徒が、各クラスに何人かいるため、当初から先生の存在には違和感がなかった。先生を知らなかった生徒たちも遠慮なく質問できる。もちろ
TTでの授業風景(高等学校) |
ん津具中学校出身の生徒は、再び先生と話ができることを大いに喜んでいる。
先生には、中学校の授業のようなきめ細かい音読指導をお願いしている。高校では声に出して読むことが少なくなるが、生徒の表情は一生懸命である。単語の発音を一つ一つわかりやすく丁寧に教えていただいており遅れがちな生徒にとっても「読めるようになりたい」という気持ちが刺激され熱心に音読の学習に取り組んでいる。また、取り上げる教材に関連する先生自身の体験談や知識などを英語でスピーチしてもらっている。
実物やインターネットの記事を使った具体的な話に、生徒たちはしっかりと耳を傾けている。
(田口高等学校)
教員の感想
○ 高校の授業の様子を見ていると、設楽中出身の生徒はもちろん、他の生徒も気軽に話しかけられる雰囲気がある。学力差は大きいが、わかるようになりたいという思いが、どの生徒からも伝わってくる。個別のアドバイスを通して、生徒が考える筋道を見つけたり、わかる喜びを感じたりすることを願って、授業に臨んでいる。
高校の学習内容にふれることを通して、中高の単元の関連や系統性を再確認している。このことが、高校での生徒のつまずきに対する具体的な支援につながると同時に、中学校での発展的な学習の指導に役立っている。
(設楽中学校 教諭)
○ 本年度から開始した交流授業に、英語科で参加させていただいている。実際、まだまだ手探りの状態で、試行錯誤をしながら進めているというのが、正直な感想である。
言うまでもないことだが、交流授業を行う大きなメリットの一つは、互いの生徒たちの状況が把握できることである。高校の立場で言えば、入学前の生徒たちがどのように学校生活を過ごし、何をどのように学んできたのか、その一端を知ることができる。このことは、高校入学後の指導をスムーズに行えるという非常に大きな意味をもつと考える。
一方で、いくつか課題もあるように感じる。例えば、高校の教員が中学校の授業に参加する、あるいは、中学校の先生に高校の授業に加わっていただき、どうしたら、それを大きく生かすことができるのか。実際の交流授業に加わって、これらがまだ不明確であるように感じる。
実際の授業の中で、中高それぞれの特徴を生かしていくためにも、今後も情報交換を密にし、様々な課題に取り組んでいきたい。知恵を絞り、交流授業であるからこそできる活動をめざして、努力していきたい。
(田口高等学校 教諭)
中学校教員の個別指導の様子
(高校学校)
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○ 毎週水曜日、教員交流として設楽中学校と豊根中学校を訪問している。高校での普段の勤務にはない貴重な体験や発見があり、水曜日が来るのを楽しみにしている。
設楽中学校では、1年選択英語、2年選択英語の授業に参加している。どちらも教科書を用いず、担当の先生方が独自に教材を準備し、「コミュニケーションを楽しもう」という方向性で展開されている。私自身も生徒のグループに入って一緒にゲームや会話練習をしている。
豊根中学校では、1年英語と3年英語の授業で、中学の先生と役割分担をしながら、範読や机間指導等を行っている。少ない人数の生徒(1年生は8名)を2人の教員で見るため、それぞれの生徒をじっくりと観察し援助することができる。
中学校を訪れるたび、「中学生はこんなに大きな声で発音練習をするのか」「間違いを恐れずに会話できてすごいなあ」と、高校の生徒との違いに驚いている。また中学の先生方の指導法や授業展開、生徒との接し方等、自分自身にとって勉強になることが多い。さらに、これまでは遠い存在だった「中学校」を身近に感じられるようになったことで、高校生に対する理解も深まったように感じている。
今後は、交流を通して相互の理解をいっそう進めていき、これを学校全体、地域全体に広げていけるように努力したいと思う。
(田口高等学校 教諭)
生徒の感想
○ 私は最初、高校の英語の先生が来てくれると聞いて、どきどきしていました。「高校の先生」とは、まじめでとても厳しいイメージがあったからです。私はびっくりしました。教室に入って授業を始めると笑顔が絶えません。どんなに考えても私の最初のイメージした先生とは違っていました。
(中学校2年)
○ 今までの選択英語の授業以上に明るい雰囲気で、とても楽しいです。また楽しいだけでなく、高校の先生の発音は勉強になります。ちょっとした発音でも、気をつけようと思うようになりました。
(中学校2年)
○ わからないところを重点的に教えてもらえるので、喜んでいます。特に発音を学ぶ時は舌の使い方からしっかりと教えてくれるのでよくわかります。中学の先生はとても優しく信頼できる先生だと思います。
(高校林業科1年)
○ 2人の先生で授業をしてもらえて、とてもよいと思います。先生が2人いるので、1人の先生が説明していたり他の子を教えていたりしても、もう1人の先生に質問することができるからです。
(高校普通科1年)
○ 高校に来て、まさか中学の時教えてもらった先生の授業が受けられるなんて、思ってもみませんでした。先生の授業を毎週楽しみにしています。中学の先生の授業は、中学の時のように発音重視です。
少し緊張感のあるとてもいい授業です。
(高校普通科2年)
A交流授業の成果
○ 「やっぱり高校の先生だから話すのがちょっと速かった。聞き取れないところもあったけれど、内容がわかったときはすごくうれしかった。」1年生の1回目の交流授業について、ある生徒は感想をこのように述べた。
また、「自己紹介の英語がすごく速かった。」「知らない単語がいっぱい出てきた。」など、中学校で学ぶ英語との違いを感じた生徒が多かった。速い英語を聞き取ることに戸惑う生徒もいたが、何度も繰り返して最終的に聞き取れたときには、大きな満足感や達成感を味わえた。
中学生にとっては、学習の奥深さに気づき、高い目標を設定することにつながるという点で成果があると考える。
(中学校)
○ TT指導が有効に機能するように、教員の役割分担を工夫している。全体を把握する者と個別指導を担当する者、つまずいている生徒を支援する者とより発展的な内容を投げかける者など、授業の目的によって役割分担をしている。
その過程で、生徒の状況をこれまで以上に詳細にとらえることになり、効果的な指導をすることにつながっている。
(中学校)
○ TTで授業を行うことで、1人1人に応じた、よりきめ細かい指導ができる。「先生が増えたから、わからないところをすぐに聞くことができる。」「難しいところを丁寧にわかりやすく教えてもらえる。」など、生徒自身も成果を実感ている。
(中学校)
○ 中学校で指導を工夫したり改善したりしなくてはならない部分が明らかになってきた。学力不振の高校生が、中学校での学習のどのあたりから行き詰まっているかがわかった。
(中学校)
○ 中学校として、高等学校進学後の授業に対応できる力を身につけておかなければならない。このことに関して、交流授業を行うことは、情報の相互やりとりや具体的な学習目標を立てる点において、実に魅力的である。
(中学校)
○ 高校教員にとって、交流授業は指導力を高める有効な機会である。中学校の先生の説明はとてもシンプルでわかりやすく、参考になる。また、中学校で何をどのように学んできたのかについてその一端を知ることは、高校で授業をする上でとても役立っている。
(高等学校)
B交流授業の課題
○ 週1回の授業では、生徒の実態が把握し切れなかったり、授業進度がつかめなかったりする。
○ 中学校と高等学校の授業にはそれぞれ特性があるため、交流授業では教員の打ち合わせが特に重要になる。しかし、中学校の規模が小さく教員の授業予定が調整できない、高校から最も遠い豊根中学校までは50分近くかかる等の理由で時間的な余裕がなく、事前事後の授業の打ち合わせが十分できないのが実情である。打ち合わせが十分でない場合は、訪問した教員はかなり補助的な立場で指導せざるを得ない。今後、打ち合わせの時間や、関係する教員が全員で話し合う時間を確保する必要がある。また、時間に余裕をもたせる環境の整備に努めたい。
○ より効果的なTT形式による授業を工夫する必要がある。現在は、どちらかというと一部の生徒にとってメリットのある授業になっている。学級生徒全員の学力向上に寄与するようなTTのあり方を追究していかなければならない。
○ 6年間でどういう力をつけるかを明らかにし、中高一貫教育としてのTTの授業を明確に位置づける必要がある。また、TT指導を充実させるために、その授業のねらい、役割分担、指導方法など互いの共通理解が不可欠である。
交流部会
@サマーセミナー
平成16年度は、夏休みの8月9日(月)から10日(火)にかけて、中高一貫教育の取り組みとして、サマーセミナーを開催した。
設楽中学校、津具中学校、豊根中学校の1年生と、田口高校の生徒が共通の体験をすることで、交流や親睦を図ることが主な目的である。
田口高校が所有している鴨山演習林(東栄町)で行った。鴨山演習林は、代々田口高校生が下草刈りや植林といった様々な実習や体験活動・宿泊研修を行い、田口高校にとって欠かすことのできない大切な場所である。高校生と中学生が交流を図るための場所として、鴨山演習林は最適であると考え、そこでサマーセミナーを開催することになった。
ア 計画段階の様子
サマーセミナーは初めての試みである。生徒たちは期待しているというよりも、むしろ不安のほうが大きかったようである。特に、中学生はそれが大きく、「高校生とうまくやっていけるのか。」「他の中学生の子と友達になれるのか。もし、しゃべれなかったら、どうしよう。」という声があちこちで聞かれた。
また、引率する教職員にとっても試行錯誤の連続で、4月から4校で何度も話し合いの場を設けながら計画を練った。
イ サマーセミナー始まる
夏休みも始まり、あっという間にサマーセミナー当日を迎えた。
力強くチェーンソーを握る |
あいにく、豊根中学校は学校行事と重なり、2日目だけの参加となった。初日は、中学からは設楽中36名、津具中15名。田口高校からは、林業科3年生27名が参加した。 開校式の直後に、中学生1人1人がチェーンソーを使って丸太を切る体験をした。ほとんどの中学生は、チェーンソーに触わるのが初めてで、高校生が華麗にチェーンソーを扱う姿に見とれていた。最初は、チェーンソーをおどおどしながら握っていた中学生だが、高校生が手取り足取り丁寧に教えてくれたので、切り終わる頃にはしっかり握り、その姿もさまになってきた。
「『スパン』と切れた瞬間はすごく気分がよかったよ。」
と目をキラキラさせながら話してくれた。
その丸太を昼食の時の座椅子にした。自分で切り取った丸太に座って弁当を食べた。少々斜めに切ってしまって、座り心地の悪いのも愛嬌。自然にグループ内の会話も弾んだ。中には、早速夜のキャンプファイヤーの話し合いをしているグループもあった。
ウ ニジマスの燻製づくり
1日目の午後からは、ニジマスの燻製作りの体験活動を行った。田口高校の先生が燻製用に作ってくれた特別の木箱を七輪の上にのせて燻製を作った。
美味しくできるかな? |
まず、はらわたを出して塩漬けにしたニジマスを、1時間ほど炭火でじっくり乾燥させる。その後3時間ほどかけて、ゆっくりと煙で燻していく。自分たちが桜の板を鉈で削り、桜チップを作りて、それを七輪の中に適当な量入れ、煙を出す。煙が多すぎても少なすぎても駄目。その微妙な調整が味を左右する。
林業科の3年生はすでにこの実習をやっているので、お手の物。一組に林業科の生徒が1人ずつ付き添って指導してくれた。初めはおぼつかない手つきの中学生たちも、高校生に鉈の使い方を丁寧に指導してもらい、次第に鉈の使い方にも慣れ、きれいな桜チップを削れるようになった。煙に目をショボショボさせながら、桜チップを投入していった。田口高校生の下校の関係で、途中から中学生だけで煙の調整をすることになった。4時間後に燻製が完成し、早速試食をした。桜のよい香りが口の中いっぱいに広がり、できたての燻製の味に「おいしい。」の連発。また、何時間もかけて作りあげた満足感も加わり、格別な味だった。
「煙で燻す」というのは、生徒にとってなかなか理解しにくいことであったが、この実習を通して、どの子も実感することができた。
エ 夕食のバーベキュー
今の鴨山演習林の宿泊施設では、参加者全員が宿泊できるだけのスペースがなく、今回は、設楽中と津具中の生徒が宿泊することになった。
夕食はグループごとに分かれてバーベキューをした。大勢でワイワイ言いながら食べるバーベキューの味はまた格別。あちこちから笑い声が絶えず、楽しい夕食の一時を過ごすことができた。
夕食を食べながら、それぞれのグループでスタンツの打ち合わせをした。話し合いも多いに盛り上がり、楽しいスタンツになりそうな予感を感じさせた。
オ キャンプファイヤー
田口高校の先生方が中学生のために、本格的なキャンプファイヤー施設を準備して下さった。立派な井げたに火がともり、夜空を炎で彩ると、大きな歓声が沸き上がった。
短い時間の中で話し合いをしたスタンツを、キャンプファイヤーの中で発表した。どのスタンツも短時間の打ち合わせで作ったものとは、とても思えないほどの良い出来映えだった。
ショートコントやゲームなど、バラエティーに富んだ内容で、あっという間に時間が過ぎていった。最後のグループが津具村の盆踊りに欠かせない「チョイナ節」をみんなで踊ろうと呼びかけた。全員で一つの踊りを踊ったことで、会場に一体感が生まれた。スタンツの後、設楽中は校歌を、津具中は合唱曲をそれぞれ披露した。
キャンプファイヤーの活動を通して、お互いの中学校のよさを十分に感じ取り、こうして交流できたことに感謝する気持ちをもつことができた。
次のポイントへGO! |
カ オリエンテーリング
2日目は田口高校普通科2年生が参加した。豊根中学校も合流し、ようやく4校そろっての取り組みができた。2日目は鴨山演習林内をもっとよく知ろう、4校の交流を図ろうということで、鴨山演習林を散策しながら、グループごとにオリエンテーリングを行った。
道中にある様々なクイズをグループで相談しながら解いていく中で、鴨山の自然に親しむことができた。中学生の活気のよさに、高校生が圧倒される微笑ましい場面もみられた。
こうして楽しく、オリエンテーリングを終え、昼食を食べ、閉校式をして、思い出を胸に、それぞれの学校へ帰った。
キ サマーセミナーを終えて
生徒たちの感想の一部を紹介する。
《中学生の感想》
「高校生がやさしく接してくれてうれしかった。」
「たくさん友達がきてよかった。」
「めったにできない交流や体験ができて、いい経験になった。」
《高校生の感想》
「中学生はとても素直で一生懸命やってくれてよかった。」
「中学生と交流する機会がないので、これからも続けてほしい。」
初めての試みだったが、生徒たちが充実感をもち、お互いが楽しく交流できたことは大きな成果である。一方、4校の連携の難しさも改めて実感した。
今年度の成果や反省をもとにして、来年度のサマーセミナーに生かしていきたい。
A林業体験
豊根中学校では、平成15年度から、ふるさと理解学習の一環として「林業体験学習」を始めた。地元森林組合や地元農林水産事務所のご協力で、平成15年度は「間伐」体験をすることができた。
平成16年度の林業体験学習を計画したとき、田口高等学校の林業科の生徒との交流を通して、林業にかかわる具体的な仕事のノウハウを教えていただけるのではないか、また、中高一貫教育のねらいの一つ「ふるさと学習」にもつながるのではないかと考えた。
そこで、田口高等学校・豊根中学校・豊根村森林組合・新城設楽農林水産事務所間で、担当者による話し合い・日程調整などがなされ、平成16 年5月25日(火)に実施が決まった。
林業体験学習を行う場所の選定には苦労したが、豊根村の山の持ち主に担当者が依頼をした結果、快く引き受けてくださった。場所は、県下最高峰茶臼山の麓、標高千メートルを超える山林である。
高校生の指導で下刈り開始 |
真夏を思わせる快晴のもと、豊根中学校1、2年生生徒19名、田口高等学校林業科3年生徒27名、それぞれの学校の引率教師計11名、森林組合・農林水産事務所職員3名の総勢60名が集まった。今回は「下刈り」が主な学習内容である。最初に下刈り鎌(これは田口高等学校と森林組合で用意してくださったものである)の扱い方の説明を受け、早速班ごとに山林に分け入った。班は、中学生・高校生が一緒に活動できるように、また、高校生が鎌の扱い方を中学生に個人指導できるように、混成の5班編成にした。引率者や指導者も、それぞれの班に所属し、共に体験をした。
初めのうちは、下刈り鎌で何とか作業はできたのだが、山林の奥に進むにつれ、灌木の幹が太くなっていき、鎌では対処できないような状態になってきた。
そこで、班ごとに、灌木伐り用ののこぎり(これは予め農林水産事務所で用意してくださったもの。初めて中学生に鎌や鉈・鋸を使用させるものである。準備の周到さに驚く)に替え、再び下刈りに挑戦した。
中学生は、高校生のていねいな説明や、手際よい作業ぶりに感心しながら、予定していたペースよりも早く作業を進めていった。
「この木は、育てたい木の肥料となる実をつけるから、伐ってはいけないんだよ」
「この木の樹液が膚につくとかぶれるから気をつけてね」
「こっちの方向に倒すと危なくないから、こういうふうにのこぎりを使おう」
普段、森林に囲まれて暮らしている中学生も、林業の仕事の実際となると、知識も含めてほとんど知らない。自ら体験することにより、林業にかかわる仕事の大切さ・大変さを学び取ることができた。
予定していた作業を終え、昼食の後、高等学校の生徒は帰校した。中学校生徒は、午前中に受けた高校生の指導の成果を発揮しながら、さらに、1時間ほど作業を進めた。班の人数が少なくはなったが、午前中には考えられないような作業の進捗ぶりであった。
林業にかかわる仕事にも機械化の波が押し寄せている。下刈りも、今ではほとんど草刈り機やチェーンソーで行われている。そんな中で、あえて手作業を体験したことは、先人の苦労をしのぶと共に、五感で林業仕事の大変さを実感してもらうという意図がある。
高校生の指導で木の切り抜き |
生徒同士の交流の楽しさはもちろんであるが、その上に技術的なノウハウを学んだので、中学生にとっては、林業という産業に真正面から向かい合えたきわめて印象深い、意義深い一日となった。来年度以降も是非実施したい。
以下は、体験学習を終えての中学生の感想である。
「交流がとても楽しかったです。いろいろな話をしながら作業をしました。『こうやってやると木が倒れやすいよ。』などいろいろな方法を教えてくれました。またこんな機会があるといいです」
(中学一年・男子)
「初めて中学生に鎌や鉈・鋸の使い方を教えたけど、真剣に取り組んでくれて、とても楽しい時間を過ごすことができて良かった」
(高校三年男子)
B部活動交流
中学校・高等学校双方の交流を考えたとき、その意義も含めて大きな意味を持つのが「人的交流」である。
ここでは、部活動を主とした生徒交流について述べる。
平成16年度は、部活動交流として、これまでに4回実施した。実施した部活動は、ソフトテニス部(津具中学と田口高校−6月5日)、卓球部(設楽中学と田口高校−7月3日)、剣道部(設楽中学・津具中学・豊根中学と田口高校−7月22日)および駅伝部・陸上競技部(設楽中学・津具中学・豊根中学と田口高校−10月23日)である。
剣道部交流練習 |
この中で、剣道部の交流は、中高一貫教育に参加しているすべての学校の剣道部生徒(男子生徒のみ)が参加できた点で、成果があったと考えている。
大会前の練習で、ともすると勝敗にこだわりがちになるが、そんな中で、この時期だからこそ基本を大切にするという高校生の指導は、中学生に新鮮に感じられたと思われる。
時間にして、わずか3時間足らずの合同練習会ではあったが、中学生にとって有意義な会となった。ソフトテニス・卓球も成果を得た。
ところで、中学校は、夏の体育大会が終わると、陸上競技シーズン(駅伝を含む)を迎える。生徒全員が、陸上部に所属し練習を始める。また、高等学校でも、時を同じくして、陸上部が駅伝をめざし本格的なトレーニングを積む時期に入る。
前述した部活動交流は、中学校・高等学校双方一部生徒の交流であるが、陸上(駅伝)練習を通した交流は、中学校側は全中学校・全生徒参加の交流である。
練習の時期・場所・方法・移送等解決しなければならないことはたくさんあるが、年に一度訪れる折角の機会であり、中学生・高校生双方の走力向上等数々の成果がある活動となった。
部活動は中学生・高校生にとって高い関心事であり、今後も是非続けていきたい交流活動である。
広報誌「満天星」 |
地域連携部会
・北設楽の連携型中高一貫教育案内の配布「愛知県教育委員会発行」(4月)
・連携中学校ごとに保護者への説明会(7月)
・広報誌「満点星」第1号発行(年2回発行 7月、2月)
・PTA新聞の交換(7月、9月、12月、3月)
・ホームページの開設
本年度の中学校1年生から段階的に中高一貫教育を進めている。保護者は次のような思いで見守っている。
・ 中高一貫教育によって、地域の人たちがより地元の田口高校を理解し、地域の活性化につながることを期待する。
・ 入学者選抜で学力検査を行わないことで、生徒の学習意欲が低下し、生徒の学力低下が心配である。
・ 連携校の田口高校以外の高校を希望する生徒にとって不利益にならないか。
保護者等の思いを真摯に受け止め、できる限り情報を発信し、北設楽中高一貫教育についての理解を深めていきたい。
4 おわりに
平成15年の一年間で中高一貫教育の導入に向けて研究がおこなわれ、平成16年4月より実践研究が始まっている。この連携型中高一貫教育が、「ゆと り」の中で「生きる力」を育成し、生徒の学力向上と進路の具現化に大きく資するものと思われる。今後さらに推進体制のより一層の充実をはかり、地域に信頼され、その期待に応え、「生徒にとって真に魅力ある学校」であるよう、4校の絆をより一層強く結んでいきたいと思う。
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